ひとことで言うと
保険料を1年滞納すると、現物給付が現金給付に切り替わります。その現金給付のことです。
解説
特別療養費とは、保険料を滞納している世帯について、療養の給付等(現物給付)に代えて支給される現金給付をいいます。国民健康保険と後期高齢者医療に置かれており、健康保険にはありません。
くわしく解説
支給される場面は次のとおりです。市町村及び国民健康保険組合は、当該保険料の納期限から1年が経過するまでの間に、保険料納付の勧奨等を行ってもなお当該保険料を納付しない場合においては、原則として、当該世帯に属する被保険者が保険医療機関等から療養を受けたとき、又は指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、その費用について、療養の給付等に代えて、当該保険料滞納世帯主等に対し特別療養費を支給します。
効果は重いものになります。被保険者はいったん医療費の全額を支払わなければならず、事後に現金給付を受けることになります。窓口で全額を払うのは大きな負担なので、事実上の制裁として機能します。
滞納から給付が動く流れは次のようになります。
・納期から1年 … 療養の給付等(通常どおり)
・1年経過 … 被保険者証の返還、被保険者資格証明書の交付。以後は特別療養費(出産・死亡給付を除く)
・1年6月経過 … 保険給付の全部又は一部の支払を一時差し止め
・保険料完納 … 一時差し止めの解除、療養の給付等の再開。差し止め分の特別療養費も支給
完納すれば止めていた分も支払われる点が重要です。給付を奪うのではなく、納付を促すための仕組みだということになります。
試験では、被保険者資格証明書の交付を受けている被保険者が療養を受けたときに支給されるのは「療養費」である、という誤りの選択肢が出題されたことがあります。正しくは特別療養費です。名前が似ているので取り違えないよう注意します。
具体例で考えよう
保険料を1年3か月滞納している世帯の人が受診すると、窓口でいったん全額を払い、後から特別療養費を受け取ります。
試験対策ポイント
特別療養費は、保険料の納期限から1年が経過するまでの間に納付しない場合に、療養の給付等(現物給付)に代えて支給される現金給付。納期限から1年6月間が経過するまでの間に納付しない場合は保険給付の全部又は一部の支払が一時差し止められる。「療養費」と取り違えない
関連法令
国民健康保険法54条の3、63条の2
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