ひとことで言うと
事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることで保険関係が成立する事業です。個人経営の小規模な農林水産の事業に限られます。
解説
暫定任意適用事業とは、事業主が保険加入の申請をして、厚生労働大臣の認可(都道府県労働局長に権限委任)があった日に保険関係が成立する事業をいいます。強制適用事業が法律上当然に成立するのとは異なります。個人経営で規模の小さい農林水産の事業が該当します。
くわしく解説
加入と脱退の要件は、労災保険と雇用保険で違います。
加入
・労災保険 … 事業主の加入の申請のみ(労働者の同意は不要)。労働者の過半数が希望するときは申請義務が生じる
・雇用保険 … 事業主の加入の申請+労働者の2分の1以上の同意。労働者の2分の1以上が希望するときは申請義務が生じる
労災保険で労働者の同意が不要なのは、保険料が100%事業主負担だからです。労働者に負担が生じない以上、同意を求める理由がありません。
脱退
・労災保険 … 事業主の消滅の申請+労働者の過半数の同意+保険関係成立後1年を経過していること+特別保険料が徴収される期間を経過していること
・雇用保険 … 事業主の消滅の申請+労働者の4分の3以上の同意
加入時には不要だった労働者の同意が、労災保険でも脱退時には必要になります。抜けてしまえば労働者が保護を失うためです。
申請先はいずれも所轄都道府県労働局長で、労災は所轄労働基準監督署長を、雇用は所轄公共職業安定所長を経由します。保険関係の成立日は認可があった日、消滅日は認可があった日の翌日です。
なお、強制適用事業が事業内容の変更や労働者数の減少等により暫定任意適用事業に該当するに至ったときは、その翌日に任意加入の認可があったものとみなされ、保険関係は引き続き成立します(擬制的任意適用)。あらためての申請は不要です。
具体例で考えよう
家族と4人の従業員で営む個人経営の林業は暫定任意適用事業になり得ますが、法人化すれば強制適用事業になります。
試験対策ポイント
暫定任意適用事業は厚生労働大臣の認可があった日に保険関係が成立する。加入は労災が労働者の同意不要、雇用が2分の1以上の同意。脱退は労災が過半数の同意+1年経過+特別保険料の期間経過、雇用が4分の3以上の同意。消滅日は認可があった日の翌日
関連法令
労働保険徴収法附則2条、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律5条
関連用語
「労働保険徴収法」の他の用語
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