ひとことで言うと
建設の事業が数次の請負で行われる場合に、元請負人と下請負人をまとめて1つの事業として扱う制度です。元請負人のみが事業主になります。
解説
請負事業の一括とは、労災保険に係る保険関係が成立している建設の事業が数次の請負によって行われている場合に、元請負人の事業と下請負人の事業を合わせて1つの事業として取り扱う制度をいいます。法律上当然に行われ、厚生労働大臣の認可は不要です。
くわしく解説
要件は3つだけです。
・労災保険に係る保険関係が成立していること
・建設の事業であること
・数次の請負によって行われていること
有期事業の一括のような規模の要件は問われません。金額も人数も関係ありません。また、対象は建設の事業のみで、立木の伐採の事業は含まれません。
一括の効果は、元請負人のみが徴収法上の事業主となることです。元請負人は、その請負に係る事業について、下請負をさせた部分を含めそのすべてについて事業主として保険料の納付等の義務を負います。
この仕組みの利点は、現場で働く労働者から見て「誰の労災保険を使うのか」が明確になることです。何次の下請けの労働者であっても、元請けの労災保険から給付を受けられます。
下請負事業の分離という例外もあります。下請負人の請負に係る事業の概算保険料の額が160万円以上であること、又は請負金額が1億8,000万円以上であることを満たせば、元請負事業から分離できます。有期事業の一括の「160万円未満かつ1億8千万円未満」とは方向も接続詞も逆になる点に注意してください。
分離の手続は、元請負人及び下請負人が共同で、原則として保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、所轄労働基準監督署長を経由して所轄都道府県労働局長に認可申請書を提出し、厚生労働大臣の認可を受けます。
雇用保険の被保険者に関する事務、給付に関する事務、印紙保険料の納付に関する事務が一括されない点は、有期事業の一括と同じです。
具体例で考えよう
ビル建設で元請の下に電気工事や内装工事の下請けが入っている場合、その現場の労災保険関係は自動的に元請けに一本化されます。
試験対策ポイント
請負事業の一括は労災保険に係る保険関係が成立している建設の事業が数次の請負で行われることにより法律上当然に行われ、規模の要件も認可も不要。元請負人のみが徴収法上の事業主となる。下請負事業の分離は160万円以上又は1億8,000万円以上で、元請と下請が共同で10日以内に申請する
関連法令
労働保険徴収法8条、労働保険徴収法施行規則7条・8条・9条
関連用語
「労働保険徴収法」の他の用語
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