ひとことで言うと
直近3か月の賃金総額を、その期間の暦日数で割って出す1日当たりの賃金です。解雇予告手当や休業手当など、5つの場面でだけ使われます。
解説
平均賃金とは、算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいいます。分母が労働日数ではなく暦の総日数である点が最大の特徴です。
くわしく解説
労働基準法12条は、平均賃金を「算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額」と定義しています。
計算式は次のとおりです。
・平均賃金 = 算定事由発生日以前3か月間の賃金総額 ÷ その期間の総日数
分母が「労働日数」ではなく暦の「総日数」である点に注意してください。なお、賃金締切日がある場合は、直前の賃金締切日から起算します。
平均賃金が登場する場面は労基法の中で5つだけです。
・解雇予告手当(算定事由発生日は解雇の通告をした日)
・休業手当(その休業日、2日以上にわたるときは最初の日)
・年次有給休暇の賃金(年休を与えた日、2日以上にわたるときは最初の日)
・災害補償(事故発生の日又は診断により疾病の発生が確定した日)
・減給の制裁の制限額(制裁の意思表示が相手方に到達した日)
金額がゆがまないよう、除外ルールも設けられています。次の5つの期間は、その期間中の日数と賃金の両方を算定ベースから除きます。
・業務上の負傷・疾病の療養のために休業した期間
・産前産後の女性が65条の規定によって休業した期間
・使用者の責めに帰すべき事由により休業した期間
・育児休業・介護休業をした期間
・試みの使用期間
また、臨時に支払われた賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与が典型)は賃金総額から除きます。一方、通勤手当や家族手当は毎月の賃金なので総額に含まれます。試験では「通勤手当及び家族手当は含まれない」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。
具体例で考えよう
5月1日から20日間、業務上のけがで休業した従業員の平均賃金を8月1日に計算する場合、3か月92日から休業20日を引いた72日を分母に、賃金総額から休業期間の賃金を除いた額を分子にします。直近6月に出た夏のボーナスは総額に入れません。
試験対策ポイント
平均賃金=算定事由発生日以前3か月間の賃金総額÷総日数(暦日数)。賃金締切日があれば直前の締切日から起算。登場場面は解雇予告手当・休業手当・年休の賃金・災害補償・減給制裁の制限額の5つ。除外期間は業務上傷病の療養休業・産前産後休業・使用者責めの休業・育児介護休業・試用期間で日数と賃金の両方を除く。通勤手当・家族手当は総額に含まれる
関連法令
労働基準法12条
関連用語
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