ひとことで言うと
被保険者期間が44年以上ある人には、60歳台前半でも定額部分が支給される特例です。
解説
長期加入者の特例とは、報酬比例部分のみの60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者が、被保険者期間が44年以上であり、かつ被保険者でない場合に、定額部分も併せて支給される特例をいいます。
くわしく解説
60歳台前半の老齢厚生年金は、支給開始年齢の引上げによって原則として報酬比例部分だけになりました。しかし次の3つの特例のいずれかに該当すると、定額部分も支給されます。
・障害者の特例 … 被保険者でなく、障害等級3級以上に該当すること(請求が必要)
・長期加入者の特例 … 被保険者期間が44年以上あること
・坑内員・船員の特例 … 坑内員たる被保険者であった期間と船員たる被保険者であった期間を合算して15年以上あること
44年は528月です。18歳で就職して62歳まで働き続けたようなケースが該当します。長く保険料を納めてきた人には早く手厚く支給しよう、という趣旨になります。
共通する要件が「被保険者でないこと」です。在職中は適用されません。退職して初めて定額部分が出るということです。
定額部分が支給されると、配偶者に係る加給年金額も加算されるようになります。定額部分と加給年金額はセットで動くという関係があります。
44年の判定にも注意が必要です。離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間は、この判定に算入されません。分割で期間を得ても長期加入者にはなれないということです。
障害者の特例だけが請求を要する点も押さえておきます。長期加入者の特例と坑内員・船員の特例は、要件を満たせば請求なしに適用されます。
具体例で考えよう
中学卒業後に就職して44年勤め上げた人が62歳で退職すると、報酬比例部分に加えて定額部分と加給年金額も受けられます。
試験対策ポイント
長期加入者の特例は被保険者期間が44年以上あり、かつ被保険者でないことが要件で、定額部分も支給される。障害者の特例は被保険者でなく障害等級3級以上に該当することが要件で請求が必要。坑内員・船員の特例は合算15年以上。離婚時みなし被保険者期間等は44年の判定に算入されない
関連法令
厚生年金保険法附則9条の3、9条の4
関連用語
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