ひとことで言うと
交通事故の加害者など、政府と被災労働者以外の者の行為によって生じた業務災害・通勤災害のことです。求償と控除という2つの調整が行われます。
解説
第三者行為災害とは、業務災害又は通勤災害が第三者の行為によって発生した場合をいいます。被災労働者又は遺族は、同一の事由について第三者に対する損害賠償請求権と保険給付の受給権の双方を有することになるため、二重の填補を避けるための調整が行われます。
くわしく解説
調整の型は、どちらが先に行われたかで2つに分かれます。
・求償(保険給付が先の場合)
受給権者に対して保険給付が先に行われた場合、政府はその給付の価額の限度で、本来受給権者が有するはずの損害賠償請求権を代位取得し、第三者に対して賠償を請求します。求償による調整期間の上限は5年です。
・控除(損害賠償が先の場合)
第三者から先に損害賠償が行われた場合、政府はその賠償額の限度で保険給付をしないことができます。控除による調整期間の上限は7年です。
5年と7年で数字が違う点が繰り返し問われます。先に給付したなら政府が動いて取り立てるので求償で5年、先に賠償があったなら政府が支払を差し控えるので控除で7年、と結びつけて覚えます。
調整の対象は同一の事由に限られます。治療費や休業損害のように保険給付と重なる項目が対象で、慰謝料のように労災保険の給付に対応する項目がないものは調整されません。
関連する扱いとして、通勤災害の一部負担金があります。第三者の行為によって生じた事故により療養給付を受ける者からは、一部負担金が徴収されません。本来の責任が加害者にあり、政府が求償する仕組みが別に用意されているためです。
また、特別支給金には第三者行為災害による求償・控除の規定が存在しません。保険給付ではないためです。
具体例で考えよう
通勤途中に追突事故に遭った人が先に労災保険から休業給付を受けた場合、その分について政府が加害者側に請求します。逆に先に加害者から休業損害の賠償を受けていれば、その額に相当する範囲で休業給付が支給されません。
試験対策ポイント
求償は保険給付が先の場合で調整期間の上限5年、控除は損害賠償が先の場合で上限7年。調整は同一の事由に限られる。第三者の行為による事故で療養給付を受ける者からは一部負担金を徴収しない。特別支給金には求償・控除の規定がない
関連法令
労働者災害補償保険法12条の4、労働者災害補償保険法施行規則44条の2
関連用語
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