ひとことで言うと
職務の内容も将来の配置の変更の範囲も正社員と同じ人です。この人には差別的取扱いが一切許されません。
解説
通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者とは、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるものをいいます。
くわしく解説
要件は2つです。
・職務の内容が通常の労働者と同一であること(職務内容同一短時間・有期雇用労働者であること)
・雇用関係が終了するまでの全期間において、職務の内容及び配置が通常の労働者の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれること
2つ目の要件がかなり厳しく設定されています。いまの仕事が同じというだけでは足りず、将来にわたる異動や転勤の範囲まで同じであることが必要です。「全期間において」という言葉が入っている点に注意します。
この要件を満たす者については、事業主は、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて差別的取扱いをしてはなりません。
8条との違いを整理すると次のようになります。
・8条 … 対象はすべての短時間・有期雇用労働者。不合理と認められる相違を禁じる。合理的な差は許される
・9条 … 対象は通常の労働者と同視すべき者だけ。差別的取扱いそのものを禁じる。合理的だからという理由で差をつける余地がない
対象の広さと効果の強さがちょうど逆になっているという構造を押さえておけば、選択肢の入れ替えに引っかかりません。
実務では、9条に当たる人はそれほど多くありません。転勤の有無で差が出ることが多いためです。逆にいえば、転勤の範囲まで正社員と同じにしているパートには、賃金の差を正当化する理由が乏しいということになります。
具体例で考えよう
転勤の範囲まで正社員と同じ契約社員には、契約社員であることを理由とする賞与の差を設けることができません。
試験対策ポイント
通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者は、職務の内容が通常の労働者と同一であり、かつ雇用関係が終了するまでの全期間において職務の内容及び配置が通常の労働者の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれる者。この者には短時間・有期雇用労働者であることを理由とする差別的取扱いが禁止される
関連法令
パートタイム・有期雇用労働法9条
関連用語
「労務管理その他の労働に関する一般常識」の他の用語
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