ひとことで言うと
すべての短時間・有期雇用労働者が対象です。禁じられるのは「不合理な」差だけで、合理的な差は許されます。
解説
不合理な待遇の禁止とは、事業主が、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、不合理と認められる相違を設けてはならないとする規定をいいます。いわゆる同一労働同一賃金の考え方を条文にしたものです。
くわしく解説
考慮する事情は次の3つで、そのうち当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮します。
・当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(職務の内容)
・当該職務の内容及び配置の変更の範囲
・その他の事情
「待遇のそれぞれについて」という書き方が重要です。賃金総額をまとめて比べるのではなく、基本給は基本給、賞与は賞与、通勤手当は通勤手当というように、待遇ごとに判断します。手当の趣旨によって、差が許されるものと許されないものが分かれるということです。
対象はすべての短時間・有期雇用労働者です。禁じられるのは「不合理と認められる相違」であり、合理的な相違であれば許されます。
この点が9条の差別的取扱いの禁止と逆になっています。9条は対象が「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」に絞られる代わりに、差そのものが禁止されます。対象の広さと効果の強さがちょうど入れ替わっているということです。
同じ考え方は労働者派遣法にも置かれています。派遣元事業主は、派遣先均等・均衡方式か労使協定方式のいずれかで待遇を確保します。派遣先均等・均衡方式では、派遣先になろうとする者があらかじめ比較対象労働者の賃金その他の待遇に関する情報を派遣元事業主に提供しなければなりません。
なお、労使協定方式によっても、教育訓練及び福利厚生施設に関する待遇についてはこの方式によることができず、派遣先均等・均衡方式によらなければなりません。
具体例で考えよう
同じ配送業務をしている正社員とパートで通勤手当に差を設ければ、手当の趣旨からみて不合理と判断され得ます。
試験対策ポイント
不合理な待遇の禁止はすべての短時間・有期雇用労働者が対象で、待遇のそれぞれについて、職務の内容・職務の内容及び配置の変更の範囲・その他の事情のうち適切と認められるものを考慮して不合理と認められる相違を禁じる。合理的な相違は許される
関連法令
パートタイム・有期雇用労働法8条、労働者派遣法30条の3
関連用語
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