ひとことで言うと
解雇予告手当や割増賃金などを払わなかった使用者に対し、裁判所が未払金と同額の支払いを命じられる制度です。実質的な倍返しになります。
解説
付加金とは、労働基準法上の一定の金銭の支払義務に違反した使用者に対し、労働者の請求により裁判所が未払金と同一額の支払いを命ずることができる金銭をいいます。対象は解雇予告手当・休業手当・割増賃金・年次有給休暇の賃金の4つに限られます。
くわしく解説
裁判所は、次の4つの規定に違反して支払いをしなかった使用者に対して、労働者の請求により、未払金のほかに、これと同一額の付加金の支払いを命ずることができます。
・解雇予告手当(20条)
・休業手当(26条)
・割増賃金(37条)
・年次有給休暇の賃金(39条9項)
未払金と同額が上乗せされるので、実質的に倍返しの制裁です。
ポイントは3つあります。
・命じるのは裁判所であり、労働基準監督署長ではない
・労働者の請求が必要(自動的に発生するものではない)
・請求は違反のあった時から5年(当分の間は3年)以内
対象が4つに限られる点も重要です。例えば通常の賃金の未払いは付加金の対象ではありません。「未払賃金なら何でも倍になる」わけではない、という形で出題されます。
4つの共通点を考えると覚えやすくなります。いずれも労働者の生活に直結し、かつ使用者が支払いを渋りやすい類型です。だからこそ制裁的な上乗せで支払いを促しています。
具体例で考えよう
解雇予告手当30万円を払わずに従業員を即日解雇した会社に対し、その従業員が裁判所に請求すると、未払いの30万円に加えて付加金30万円、合計60万円の支払いが命じられる可能性があります。
試験対策ポイント
対象は解雇予告手当・休業手当・割増賃金・年休の賃金の4つ。裁判所が労働者の請求により未払金と同一額を命じ得る。請求期限は違反のあった時から5年(当分の間3年)以内。通常の賃金の未払いは対象外
関連法令
労働基準法114条
関連用語
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