ひとことで言うと
国籍・信条・社会的身分を理由に労働条件を差別してはならないという原則です。「性別」がこの3つに入っていない点が試験の急所です。
解説
均等待遇とは、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱いをしてはならないという労働基準法3条の原則をいいます。禁止事由は3つに限定され、性別は含まれません。
くわしく解説
労働基準法3条は、労働者の国籍、信条、社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱いをすることを禁止しています。
3つの事由の意味は次のとおりです。
・国籍 ― 外国人であることなどを理由とする差別の禁止
・信条 ― 宗教的な信仰や政治的な信念のこと
・社会的身分 ― 生まれながらの身分のこと
試験でよく狙われるのは、この3つに「性別」が入っていないことです。性別を理由とする賃金差別は4条(男女同一賃金の原則)が、賃金以外の性差別は男女雇用機会均等法が受け持つ、という役割分担になっています。
また「信条」について、試験では「宗教上の信仰は含まれない」という誤りの選択肢が出題されたことがあります。信条には宗教的信念も政治的信念も含まれ、宗教を理由とする差別も3条違反です。
関連判例が三菱樹脂事件です。採用試験で学生運動への参加を隠した応募者の本採用拒否が争われ、最高裁は、3条は雇入れ「後」の労働条件についての制限であり、雇入れそのものを制約する規定ではないとしました。誰をどんな条件で雇うかは、原則として企業の自由という判断です。
具体例で考えよう
貿易会社で働く外国籍の従業員に、国籍を理由に日本人社員より低い賃金テーブルを適用すれば3条違反です。一方、同社が採用面接で応募者の思想を理由に採用を見送っても、雇入れ前の話なので3条違反にはならない、というのが三菱樹脂事件の考え方です。
試験対策ポイント
差別禁止事由は国籍・信条・社会的身分の3つで「性別」は含まれない。信条には宗教上の信仰も含む。3条は雇入れ後の労働条件についての制限であり、雇入れ自体を制約するものではない(三菱樹脂事件)
関連法令
労働基準法3条、三菱樹脂事件(最大判昭48.12.12)
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