ひとことで言うと
解雇するには少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。両方を組み合わせることもできます。
解説
解雇の予告とは、使用者が労働者を解雇しようとする場合に、少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないとする制度をいいます。予告の日数と手当の日数を併用して合計30日以上とすることもできます。
くわしく解説
使用者が労働者を解雇するには、次のいずれかの方法によらなければなりません(労働基準法20条)。
・少なくとも30日前に予告する
・30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う
・両者の併用(例えば13日前の予告+17日分以上の手当のように、合計30日以上になればよい)
重要な通達が2つあります。
1つ目は予告の取消しです。使用者が行った解雇予告は一方的に取り消せません。労働者が自由な判断で同意した場合のみ取り消せます。労働者が同意しなければ解雇は解雇のままで、自己退職扱いになることはありません。
2つ目は予告期間中に業務上の傷病が生じた場合です。予告期間の満了直前に業務上の負傷・疾病で休業すると、解雇制限(19条)が優先して解雇できなくなりますが、予告の効力は停止されるだけなので、治ゆした日に改めて予告をやり直す必要はありません。
予告なしで解雇できる例外は2つで、どちらも労働基準監督署長の認定が必要です。
・天災事変その他やむを得ない事由で事業の継続が不可能になった場合
・労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合
さらに、臨時的性質の労働者はそもそも解雇予告制度の対象外です。ただし一定期間を超えて働き続けると予告が必要になります。日々雇い入れられる者は1か月を超えたとき、2か月以内の期間を定めて使用される者と季節的業務に4か月以内の期間で使用される者は当初の契約期間を超えたとき、試みの使用期間中の者は14日を超えたときです。
具体例で考えよう
パン工場が職人を解雇する場合、10日前の予告なら残り20日分以上の解雇予告手当が必要です。また、試用期間10日目のアルバイトを解雇するなら予告は不要ですが、15日目なら30日ルールが適用されます。
試験対策ポイント
30日前予告・30日分以上の予告手当・併用(合計30日以上)の3パターン。予告の取消しには労働者の同意が必要で、同意がなくても自己退職にはならない。予告期間中の業務上傷病では予告の効力が停止するだけで治ゆ後の再予告は不要。試みの使用期間中の者は14日以内なら予告不要。予告なし解雇の例外(天災事変・労働者の責に帰すべき事由)はいずれも署長の認定が必要
関連法令
労働基準法20条・21条
関連用語
「労働基準法」の他の用語
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