ひとことで言うと
賞与から保険料を計算するための額で、年度の累計573万円が上限です。何が賞与かは「3か月を超える期間ごと」で決まります。
解説
標準賞与額とは、被保険者が受けた賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた額をいい、保険料の計算の基礎となります。年度の累計で573万円が上限とされ、この上限は保険者単位で適用されます。ここでいう賞与とは、労働の対償として受けるもののうち3か月を超える期間ごとに受けるものをいいます。
くわしく解説
賞与かどうかは名称ではなく支給の間隔で決まります。3か月を超える期間ごとに受けるものが賞与、それ以外は報酬です。この線引きから次の結論が導かれます。
・年2回の夏季・冬季賞与 … 支給間隔が6か月なので賞与
・6か月ごとにまとめて支給される通勤手当 … 賞与ではなく報酬として扱う
・年4回以上支給される手当 … 支給間隔が3か月以内なので報酬
6か月分の通勤定期代をまとめて渡す会社は多いのですが、これは賞与になりません。通勤手当はもともと毎月発生する性質のものを前払いしているにすぎないからです。報酬に当たれば標準報酬月額の計算に入り、賞与に当たれば標準賞与額として別に保険料がかかります。どちらでも保険料はかかりますが、入る箱が違うということです。
年度累計の上限が保険者単位で適用されるため、年度の途中で転職して保険者が変わると、新しい保険者のもとでは累計をゼロから数え直します。
事業主は、被保険者に賞与を支払った場合、支払った日から5日以内に賞与支払届を提出しなければなりません。この届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
なお、厚生年金保険の標準賞与額の上限は1回あたり150万円であり、年度累計で見る健康保険とは考え方そのものが違います。
具体例で考えよう
夏に300万円、冬に350万円の賞与を受けた被保険者の場合、累計650万円のうち573万円までが保険料の対象になり、それを超える77万円分には健康保険料はかかりません。
試験対策ポイント
賞与とは3か月を超える期間ごとに受けるもの。6か月ごとに支給される通勤手当は報酬として扱う。標準賞与額の上限は年度の累計で573万円、保険者単位で適用される。賞与支払届は支払った日から5日以内
関連法令
健康保険法3条5項・6項、45条、健康保険法施行規則27条
関連用語
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