ひとことで言うと
被扶養者が医療を受けたときの給付です。被保険者側の5つの給付が、この1本にまとめられています。
解説
家族療養費とは、被扶養者が保険医療機関等から療養を受けたときに、被保険者に対して支給される給付をいいます。被保険者側では別々の名前がついている療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費及び療養費に相当する給付が、被扶養者側ではこの家族療養費という1本の給付に束ねられています。
くわしく解説
この束ね方が試験で狙われます。被扶養者が療養病床に長期入院して生活療養を受けた場合であっても、支給される給付の名称は入院時生活療養費ではなく家族療養費です。67歳の被扶養者について入院時生活療養費が支給される、といった誤りの選択肢が出題されたことがあります。
受給権者にも注意が必要です。家族療養費は被扶養者本人ではなく、被保険者に対して支給されます。被扶養者は健康保険の被保険者ではないため、保険給付を受ける権利の主体にはなりません。この考え方は家族訪問看護療養費、家族移送費、家族出産育児一時金、家族埋葬料にも共通します。
負担割合は被保険者の場合とほぼ同じで、原則3割、70歳以上は原則2割です。これに加えて、6歳到達年度末までの者も2割負担とされています。未就学児の負担を軽くするための扱いです。
被扶養者側に存在しない給付は傷病手当金と出産手当金の2つだけです。いずれも労務不能や労務に服さなかったことによる収入の減少を埋める所得保障の給付であり、もともと報酬を得ていない被扶養者には埋めるべき減収が観念できないためです。
なお、高額療養費及び高額介護合算療養費は被保険者と被扶養者をまとめて世帯で合算するため、家族〜という別の給付にはなっていません。
具体例で考えよう
被扶養者である高校生の子が骨折で入院し、食事の提供も受けた場合、療養の給付にあたる部分も入院時食事療養費にあたる部分も、まとめて家族療養費として被保険者に支給されます。
試験対策ポイント
家族療養費は療養の給付・入院時食事療養費・入院時生活療養費・保険外併用療養費・療養費に相当する給付を1本にまとめたもの。被扶養者に入院時生活療養費が支給されることはない。支給を受けるのは被保険者。6歳到達年度末までの者と70歳以上は原則2割負担
関連法令
健康保険法110条
関連用語
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