ひとことで言うと
年金の伸びを抑えて財政の均衡を保つ仕組みです。被保険者数の減少と平均余命の伸びを考慮します。
解説
マクロ経済スライドとは、財政均衡期間にわたって年金財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合に、調整期間を定めて、年金額の改定率を通常より抑える仕組みをいいます。賃金や物価の変動だけでなく、公的年金の被保険者数の減少と平均余命の伸びを考慮して調整します。
くわしく解説
年金額の改定は本来、次のように行われます。
・受給権者が68歳となる年度前(新規裁定者) … 名目手取り賃金変動率を基準に改定
・受給権者が68歳となる年度以後(既裁定者) … 物価変動率を基準に改定
マクロ経済スライドは、この改定率からさらに調整率を差し引く形で働きます。
財政均衡期間は、財政の現況及び見通しが作成される年(財政検証が行われた年)以降おおむね100年間です。少なくとも5年ごとに財政検証が行われ、均衡を保てないと見込まれるときに調整期間が定められます。
調整に用いるのは次の2つの要素です。
・公的年金の全被保険者数の変動率(減少すると調整が大きくなる)
・平均余命の伸び率(伸びると調整が大きくなる)
支え手が減り、受け取る期間が延びると、その分だけ1人あたりの年金の伸びを抑えるということです。
付加年金は調整の対象外です。額が「200円×月数」の固定額で、そもそも改定率を乗じないためです。
厚生年金保険では、年金額そのものではなく再評価率を改定するという形をとっています。国民年金が改定率、厚生年金保険が再評価率という違いがあります。
具体例で考えよう
物価が2%上がった年でも、調整率が0.3%であれば年金額の伸びは1.7%にとどまります。
試験対策ポイント
マクロ経済スライドは財政均衡期間にわたって財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合に調整期間を定めて行う。公的年金の被保険者数の減少と平均余命の伸びを考慮する。財政均衡期間は財政検証が行われた年以降おおむね100年間。付加年金は対象外
関連法令
国民年金法16条の2、27条の4、27条の5
関連用語
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