産前産後期間の保険料免除
さんぜんさんごきかんのほけんりょうめんじょ
ひとことで言うと
免除でありながら保険料納付済期間として扱われる唯一の制度です。追納という概念がありません。
解説
産前産後期間の保険料免除とは、第1号被保険者が出産したときに、出産予定月の前月から出産予定月の翌々月までの期間に係る保険料が免除される制度をいいます。多胎妊娠の場合は出産予定月の3月前から出産予定月の翌々月までとなります。
くわしく解説
期間を数えると次のようになります。
・単胎 … 前月・当月・翌月・翌々月の4か月間
・多胎 … 3月前・2月前・前月・当月・翌月・翌々月の6か月間
基準になるのは出産予定月であって、実際の出産月ではありません。健康保険や厚生年金保険の産前産後休業期間中の保険料免除が「産前産後休業を開始した日の属する月から終了する日の翌日が属する月の前月まで」と定められているのとは、数え方そのものが違います。
この制度がほかの免除と決定的に違うのは、免除された期間が保険料納付済期間として扱われる点です。その結果、次のような扱いになります。
・老齢基礎年金の額に満額として反映される(全額免除なら2分の1、学生納付特例ならゼロ)
・受給資格期間に当然に算入される
・追納の必要がない(すでに納付したものとして扱われるため追納という概念がない)
優先関係にも規定があります。産前産後期間の保険料免除の要件を満たしている場合には、法定免除や申請免除よりも優先されます。生活保護を受けていて法定免除に該当する人が出産した場合でも、産前産後の期間についてはこちらが適用されるということです。受給者にとって有利なほうを適用するという発想になります。
付加保険料の扱いにも影響します。保険料免除者は付加保険料を納付できませんが、産前産後期間の保険料免除者だけは例外として納付できます。
なお、任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者には、この免除の規定は適用されません。
具体例で考えよう
12月に出産予定の自営業の第1号被保険者は、11月から翌年2月までの4か月分の保険料が免除され、その4か月は満額で年金額に反映されます。
試験対策ポイント
産前産後期間の保険料免除は出産予定月の前月から翌々月まで(多胎は3月前から翌々月まで)。免除された期間は保険料納付済期間として扱われ満額が反映される。法定免除・申請免除より優先し、この免除者は付加保険料を納付できる
関連法令
国民年金法88条の2、89条2項
関連用語
「国民年金法」の他の用語
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