ひとことで言うと
供給元と労働者の間に「支配関係」があるのが特徴です。原則として事業として行うことが禁止されます。
解説
労働者供給とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣法に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとされます。職業安定法により、労働者供給事業は原則として禁止されています。
くわしく解説
関係を整理すると次のようになります。
・供給元と供給先 … 供給契約
・供給元と労働者 … 支配関係
・労働者と供給先 … 雇用関係、指揮命令関係
労働者派遣との違いは、供給元と労働者の関係にあります。労働者派遣では派遣元と労働者の間に雇用関係があり、派遣先には指揮命令関係だけがあります。労働者供給では、供給元と労働者の間にあるのは雇用契約ではない「支配関係」で、雇用関係のほうが供給先との間に生じます。
労働者供給が禁止される理由は、この支配関係が中間搾取や強制労働の温床になりやすいからです。労働基準法6条の中間搾取の排除と同じ問題意識になります。
禁止の範囲は両側に及びます。何人も、労働者供給事業を行ってはならず、また労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてもなりません。供給する側だけでなく、受け入れる側も禁止されるということです。
例外として、労働組合等が厚生労働大臣の許可を受けた場合には、無料で労働者供給事業を行うことができます。この許可の有効期間は3年で、更新後は5年です。
労働者自身の団体であれば搾取のおそれが小さいこと、そして「無料で」という限定が付いていることの2点が要点になります。
職業紹介事業の許可の有効期間と並べておくと覚えやすくなります。有料職業紹介事業は3年(更新後5年)、無料職業紹介事業は5年(更新後5年)、労働者供給事業は3年(更新後5年)です。
具体例で考えよう
個人が他人を集めて建設現場に送り込み、報酬の一部を抜く行為は労働者供給事業として禁止されます。
試験対策ポイント
労働者供給とは供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣に該当するものを含まない。何人も労働者供給事業を行ってはならず、供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてもならない。労働組合等が厚生労働大臣の許可を受けた場合は無料で行うことができ、有効期間は3年(更新後5年)
関連法令
職業安定法4条8項、44条、45条
関連用語
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