ひとことで言うと
2つの類型に当たると、更新を断るハードルが解雇と同じ高さになります。
解説
雇止め法理とは、有期労働契約の更新を使用者が拒否すること(雇止め)について、一定の場合に、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性がなければ認められないとする考え方をいいます。判例で形成されたものが労働契約法に明文化されました。
くわしく解説
雇止めが無効となるのは次のいずれかに当たる場合です。
・有期労働契約を反復更新されたことにより、雇止めをすることが解雇と社会通念上同視できると認められる場合(実質無期型)
・次回の契約の更新を労働者に期待させた合理的な理由が認められる場合(期待保護型)
1つ目は、形式上は有期契約でも、何度も更新を繰り返した結果、実態としては期間の定めのない契約と変わらなくなっている場面です。2つ目は、更新回数が少なくても、会社側の言動によって次も更新されるだろうと期待するのが無理もない状況があった場面になります。
どちらも雇止めそのものを禁止するものではありません。合理的な理由があり社会通念上相当であれば雇止めは有効です。効果は「解雇と同じハードルになる」という点にあります。
有期契約労働者については、もうひとつ厳しいルールがあります。契約期間の満了を待たずに解雇する場合には、やむを得ない事由がなければ認められません。
厳しさの順に並べると次のようになります。
・期間途中の解雇 … やむを得ない事由が必要(最も厳しい)
・雇止め法理が適用される雇止め … 客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要
・それ以外の雇止め … 期間満了により終了する
無期転換ルールが「5年を超えたら契約を無期にできる」という将来への道であるのに対し、雇止め法理は「いま切られそうな契約を守る」仕組みです。両方があって初めて有期契約労働者の保護が完結します。
具体例で考えよう
10年にわたり毎年更新してきた契約社員を理由なく雇止めにすれば、解雇と同視されて無効になり得ます。
試験対策ポイント
雇止めは、有期労働契約を反復更新されたことにより雇止めをすることが解雇と社会通念上同視できると認められる場合や、次回の契約の更新を労働者に期待させた合理的な理由が認められる場合に、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められないと無効となる。契約期間の途中の解雇にはやむを得ない事由が必要
関連法令
労働契約法17条、19条
関連用語
「労務管理その他の労働に関する一般常識」の他の用語
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