ひとことで言うと
短期在留外国人の掛け捨てを防ぐための一時金です。国民年金にも同じ仕組みがあります。
解説
脱退一時金とは、日本国籍を有しない者であって被保険者期間が6か月以上あり、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしていないものが、被保険者資格を喪失して日本国内に住所を有しなくなった後に請求することができる一時金をいいます。
くわしく解説
外国から来て数年だけ働いた人は、保険料を納めても受給資格期間を満たせないまま帰国することになります。そのまま掛け捨てになるのを防ぐために設けられた給付です。当分の間の経過措置として附則に規定されており、本則の保険給付には含まれません。
厚生年金保険の保険給付は老齢厚生年金・障害厚生年金・障害手当金・遺族厚生年金の4種類で、附則の給付として60歳台前半の老齢厚生年金と脱退一時金があるという整理になります。
主な要件は次のとおりです。
・日本国籍を有しないこと
・被保険者期間が6か月以上あること
・老齢厚生年金その他政令で定める保険給付の受給資格期間を満たしていないこと
・日本国内に住所を有しないこと
離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間は、この期間から除かれます。分割で得た期間で脱退一時金の要件を満たすことはできないということです。
受給回数に制限はありません。一度受け取った後に再び来日して働き、要件を満たせばまた請求できます。
国民年金にも同じ趣旨の脱退一時金があります。第1号被保険者としての月数等を合算した月数が6か月以上である日本国籍を有しない者で、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない者が請求でき、額は最後に保険料を納付した月が属する年度によって変わります。
不服申立ての窓口にも特徴があります。脱退一時金に関する処分に不服がある者は、国民年金・厚生年金保険のいずれについても社会保険審査会に対して審査請求をします。社会保険審査官ではありません。
具体例で考えよう
3年間だけ日本で働いた外国籍の人は、帰国後に請求すれば納めた保険料の一部が脱退一時金として戻ってきます。
試験対策ポイント
脱退一時金は日本国籍を有しない者で被保険者期間が6か月以上あり受給資格期間を満たしていない者が請求できる。離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間は除かれ、受給回数の制限はない。本則の保険給付ではなく附則の給付。処分に対する不服申立ては社会保険審査会
関連法令
厚生年金保険法附則29条、国民年金法附則9条の3の2
関連用語
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