ひとことで言うと
保険証を出して病院にかかると、窓口で3割だけ払えば治療が受けられる。あの仕組みそのものが療養の給付です。
解説
療養の給付とは、被保険者の業務災害以外の事由による疾病又は負傷に関し、保険医療機関等から被保険者に直接の療養を行う現物給付をいいます。被保険者は一部負担金として原則3割を窓口で支払い、残りの部分は保険者が保険医療機関等に診療報酬として支払います。
くわしく解説
療養の給付の範囲は健康保険法63条1項に列挙されています。
・診察
・薬剤又は治療材料の支給
・処置、手術その他の治療
・居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
・病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
一部負担金の割合は年齢と所得で決まります。70歳未満は100分の30、70歳以上で所得が一定未満の者は100分の20、70歳以上でも標準報酬月額28万円以上の者は100分の30です。ただし、標準報酬月額28万円以上であっても、その被保険者と70歳以上の被扶養者の世帯トータル年収が520万円未満のとき等は100分の20とされます。
通達上の取扱いも繰り返し問われます。被保険者の資格取得が適正である限り、その資格取得前の疾病又は負傷に対しても保険給付が行われます。入社前からある持病でも当然に治療を受けられ、民間の医療保険のように既往症を理由に断られることはありません。一方、定期健康診断時の検査費用は保険給付の対象になりません。ただし、健診の結果を受けた精密検査が、定期的健康診査の一環としてあらかじめ予定されたものでなければ、その精密検査は療養の給付の対象になります。
また、単に経済的理由により医師の人工妊娠中絶手術を受けた場合は対象となりませんが、身体に違和感があるとして診察を受けたものの結果的に何ら疾病と認めるべき兆候がなかった場合でも、その診察は療養の給付と認められます。
具体例で考えよう
医療費が10,000円かかった場合、窓口で払うのは3,000円です。残りの7,000円は病院が社会保険診療報酬支払基金等を通じて請求し、保険者から支払われます。
試験対策ポイント
療養の給付の範囲は❶診察❷薬剤又は治療材料の支給❸処置、手術その他の治療❹居宅における療養上の管理及び看護❺入院及び看護。一部負担金は70歳未満が100分の30、70歳以上は原則100分の20だが標準報酬月額28万円以上は100分の30。資格取得前の傷病にも給付は行われる
関連法令
健康保険法63条、74条、昭26.10.16保文発4111号、昭28.4.3保険発59号
関連用語
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