未成年者の労働契約
みせいねんしゃのろうどうけいやく
ひとことで言うと
親権者や後見人は、本人の同意があっても未成年者に代わって労働契約を結べません。不利な契約は将来に向かって解除できます。
解説
未成年者の労働契約に関するルールとは、親権者又は後見人が未成年者に代わって労働契約を締結することを禁止し、不利な契約について親権者・後見人・行政官庁が将来に向かって解除できるとする労働基準法58条の規定をいいます。
くわしく解説
未成年者の労働契約には重要なルールが2つあります。
1つ目は代理締結の禁止です。親権者や後見人は、たとえ本人の同意を得たとしても、未成年者本人に代わって労働契約を締結してはなりません。親が子を働かせて賃金を吸い上げるような親権の濫用を防ぐためです。
試験では「本人の同意があれば親が代わりに契約できる」という誤りの選択肢が作られやすいので、同意があってもダメ、という点を正確に覚えてください。
2つ目は解除権です。親権者・後見人・行政官庁(労働基準監督署長)は、労働契約が未成年者に不利であると認める場合、将来に向かってその契約を解除できます。締結を代理することはできないが、不利な契約を解除することはできる、という組み合わせです。
なお賃金についても、未成年者は独立して賃金を請求することができ、親権者又は後見人は未成年者の賃金を代わって受け取ってはなりません。賃金支払の5原則のうち直接払の原則の表れでもあります。
用語の対象にも注意してください。この規定の対象は「未成年者」(満18歳未満)です。労働時間・深夜業の規制は「年少者」、最低年齢の規制は「児童」が対象で、条文ごとに主語が変わります。
具体例で考えよう
16歳のアルバイト契約を、父親が本人の了解を得て代わりに結ぶことはできません。契約は本人が結びます。一方、既に結ばれた契約の労働条件があまりに不利なら、父親や監督署長がその契約を将来に向かって解除できます。
試験対策ポイント
親権者・後見人は本人の同意があっても未成年者に代わって労働契約を締結できない。不利な契約は親権者・後見人・行政官庁が将来に向かって解除できる。未成年者は独立して賃金を請求でき、親権者等が代わって受け取ることはできない
関連法令
労働基準法58条・59条
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