ひとことで言うと
被保険者期間が300月に満たないときは300月として計算する救済です。障害と遺族の短期要件にあります。
解説
300月みなしとは、年金額の計算において被保険者期間の月数が300に満たないときに、これを300月として計算する取扱いをいいます。障害厚生年金と遺族厚生年金の短期要件に置かれています。
くわしく解説
300月は25年です。若くして障害を負ったり亡くなったりした場合、実際の被保険者期間はごくわずかしかありません。そのまま報酬比例で計算すると年金額がほとんどゼロになってしまうため、25年加入していたものとみなして計算するという救済です。
適用される給付は次のとおりです。
・障害厚生年金(障害手当金も含む)
・遺族厚生年金の短期要件
老齢厚生年金と遺族厚生年金の長期要件には適用されません。これらは十分な加入期間がある人を前提としているためです。
給付乗率との対応も覚えやすい形になっています。
・300月みなしがある給付(障害厚生年金・遺族厚生年金の短期要件) … 給付乗率は定率で読み替えなし
・300月みなしがない給付(老齢厚生年金・遺族厚生年金の長期要件) … 生年月日に応じた読み替えあり
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の扱いも、この300月みなしで説明がつきます。300月みなしがある給付は期間を合算して一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして計算し、300月みなしがない給付は各号の期間ごとに計算します。種別ごとに300月みなしを働かせると、それぞれで300月が確保されて過大な給付になってしまうためです。
国民年金の障害基礎年金には、そもそも被保険者期間の長短で額が変わる仕組みがありません。定額の給付なので300月みなしという概念自体が不要だということです。
具体例で考えよう
24歳で障害を負い被保険者期間が30月しかない人でも、300月あったものとして障害厚生年金の額が計算されます。
試験対策ポイント
被保険者期間の月数が300に満たないときは300月とみなす。適用があるのは障害厚生年金(障害手当金を含む)と遺族厚生年金の短期要件で、老齢厚生年金と遺族厚生年金の長期要件にはない。300月みなしがある給付は給付乗率が定率で、2以上の種別の期間は合算して計算する
関連法令
厚生年金保険法50条1項、60条1項
関連用語
「厚生年金保険法」の他の用語
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