短期要件と長期要件
たんきようけんとちょうきようけん
ひとことで言うと
遺族厚生年金の入口の2分類です。どちらに当たるかで保険料納付要件の要否と額の計算が変わります。
解説
短期要件と長期要件とは、遺族厚生年金の支給要件の分類をいいます。現役世代の死亡を想定したものが短期要件、長く加入してきた人の死亡を想定したものが長期要件です。
くわしく解説
短期要件は次の3つです。
・被保険者が死亡したとき(保険料納付要件が必要)
・被保険者であった者が、資格喪失後、被保険者期間中に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき(保険料納付要件が必要)
・障害等級1級又は2級に該当する障害厚生年金の受給権者が死亡したとき(保険料納付要件は不要)
3つ目に保険料納付要件がかからないのは、1級・2級の障害厚生年金の受給権を取得した時点ですでに納付要件が確認済みだからです。
長期要件は次の1つです。
・老齢厚生年金の受給権者(受給資格期間が25年以上である者に限る)又は受給資格期間が25年以上である者が死亡したとき(保険料納付要件は不要)
25年という数字に注意が必要です。老齢基礎年金の受給資格期間は平成29年に10年へ短縮されましたが、遺族給付の長期要件は25年のままです。
額の計算にも違いがあります。
・短期要件 … 給付乗率は定率(読み替えなし)、被保険者期間の月数は300月みなしあり
・長期要件 … 昭和21年4月1日以前生まれの者について読み替えあり、被保険者期間は実際の月数
どちらに当たるかで年金額が変わるということです。
2以上の種別の被保険者であった期間を有する者の扱いも分かれます。短期要件に係る額は期間を合算して一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして計算し、長期要件に係る額は各号の期間ごとに計算されます。300月みなしがある短期要件を種別ごとに分けると過大になるためです。
中高齢寡婦加算が加算されるのは、短期要件の場合と、長期要件で夫の被保険者期間が240月以上ある場合です。
具体例で考えよう
在職中に亡くなった35歳の会社員の遺族には短期要件が適用され、被保険者期間が50月でも300月として計算されます。
試験対策ポイント
短期要件は被保険者の死亡・資格喪失後5年以内の死亡・1級2級の障害厚生年金の受給権者の死亡の3つで、3つ目は保険料納付要件が不要。長期要件は受給資格期間25年以上で保険料納付要件は不要。短期要件は定率かつ300月みなしあり、長期要件は読み替えありで実際の月数
関連法令
厚生年金保険法58条、60条
関連用語
「厚生年金保険法」の他の用語
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