ひとことで言うと
1人1年金が原則です。例外として併せて受けられる組合せが3つの型に整理されています。
解説
併給の調整とは、同一の者に2以上の年金給付の受給権が発生した場合に、原則としていずれか1つを選択させ、他を支給停止する仕組みをいいます。1人1年金の原則と呼ばれます。
くわしく解説
複数の受給権が発生すると、いったんすべてが支給停止となり、受給権者の選択によってそのうち1つの支給停止が解除されます。選択はいつでも将来に向かって撤回することができます。
併給が認められる例外は、次の3つの型に整理できます。
第1の型 … 老齢基礎年金と付加年金
付加年金は老齢基礎年金の上乗せなので、そもそも別々の年金として扱いません。
第2の型 … 同一の保険事故に基づく2階建て
・老齢基礎年金と老齢厚生年金
・障害基礎年金と障害厚生年金
・遺族基礎年金と遺族厚生年金
1階と2階の組合せは当然に併給されます。
第3の型 … 65歳以上に限って認められる異なる保険事故の組合せ
・遺族厚生年金と老齢基礎年金
・老齢厚生年金と障害基礎年金
・遺族厚生年金と障害基礎年金
この3つは65歳未満では併給できません。65歳になれば誰もが老齢基礎年金を受け始めるという前提のもとで、基礎年金の側を老齢又は障害で確保しつつ、2階部分は別の事故のものを受けられるようにした例外です。
第3の型で「老齢厚生年金と遺族厚生年金」の組合せがないことにも注意が必要です。2階部分どうしは併給されません。
選択が問題になる典型は、65歳の女性が自分の老齢厚生年金と夫の遺族厚生年金の双方の受給権を持つ場合です。この場合は自分の老齢厚生年金が優先して支給され、遺族厚生年金は差額のみが支給される仕組みになっています。
具体例で考えよう
63歳で遺族厚生年金を受けている人が繰上げの老齢基礎年金の受給権も得た場合、65歳になるまではどちらか一方しか受けられません。
試験対策ポイント
1人1年金が原則で、複数の受給権が発生した場合はいったんすべて支給停止となり選択により停止が解除される。選択はいつでも将来に向かって撤回できる。併給できるのは❶老齢基礎年金と付加年金❷同一の保険事故に基づく2階建て❸65歳以上に限り遺族厚生年金+老齢基礎年金、老齢厚生年金+障害基礎年金、遺族厚生年金+障害基礎年金
関連法令
国民年金法20条、厚生年金保険法38条
関連用語
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