ひとことで言うと
繁忙期は長く、閑散期は短く働かせ、平均して法定労働時間に収める制度です。1か月単位・フレックス・1年単位・1週間単位の4種類があります。
解説
変形労働時間制とは、一定期間を平均して1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲で、特定の日や週に法定労働時間を超えて働かせることができる制度をいいます。4種類あり、採用手続・期間・限度規定がそれぞれ異なります。
くわしく解説
変形労働時間制の意義は、労働者の生活設計を損なわない範囲内で労働時間を弾力化することにあります。繁忙期に労働時間を延ばしても、閑散期に縮めてバランスを取ればよいという枠組みです。
制度は4種類あります。
・1か月単位の変形労働時間制 ― 月内で繁閑の差がある事業場向け。労使協定又は就業規則等で採用でき、限度規定はありません
・フレックスタイム制 ― 始業・終業時刻を労働者が自ら決める。就業規則等+労使協定の両方が必要
・1年単位の変形労働時間制 ― 季節で繁閑の差がある事業場向け。労使協定が必須で、1日10時間・週52時間が限度
・1週間単位の非定型的変形労働時間制 ― 常時30人未満の小売業・旅館・料理店・飲食店のみ。労使協定必須で、週開始前に各日の労働時間を書面通知。1日10時間まで
採用手続の違いが頻出です。1か月単位だけは労使協定と就業規則等のどちらでも採用できますが、1年単位と1週間単位は労使協定が必須、フレックスは両方必要です。
1か月単位・1年単位での時間外労働は3段階で判定します。
・1日 ― 8時間を超える定めをした日はその定めた時間を、それ以外の日は8時間を超えて働いた時間
・1週間 ― 週法定労働時間を超える定めをした週はその定めた時間を、それ以外の週は週法定労働時間を超えた時間(日で数えた分を除く)
・期間全体 ― 法定労働時間の総枠(週法定労働時間×期間の日数÷7)を超えた時間(上記で数えた分を除く)
例えば9時間と定めた日に10時間働けば9時間を超えた1時間が時間外、6時間と定めた日に10時間働けば8時間を超えた2時間が時間外です。所定6時間の日を8時間まで延長しても時間外にはなりません。
1年単位には特有のルールがあります。限度は1日10時間・週52時間(54時間とする肢は誤り)、総枠の計算に44時間特例は使えず、2か月目以降の労働日は各月初日の30日前までに過半数組合・代表者の同意を得て特定します。また対象期間の途中で採用・退職した労働者には、働いた期間の平均が週40時間を超えた分の割増賃金が必要です。
具体例で考えよう
洋菓子店なら、クリスマス前だけ忙しいなら1年単位、月末の棚卸し週だけ忙しいなら1か月単位、スタッフの裁量で働かせたいならフレックス、と繁閑のパターンに合わせて選ぶことになります。
試験対策ポイント
4種類は1か月単位・フレックス・1年単位・1週間単位。1か月単位は労使協定又は就業規則等、1年単位と1週間単位は労使協定必須、フレックスは就業規則等+労使協定。1年単位の限度は1日10時間・週52時間で44時間特例は使えない。1週間単位は常時30人未満の小売業・旅館・料理店・飲食店のみで1日10時間まで。所定6時間の日を8時間まで延長しても時間外労働にならない
関連法令
労働基準法32条の2・32条の4・32条の5
関連用語
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