ひとことで言うと
過去の標準報酬を現在の価値に引き直すための率です。国民年金の改定率にあたるものです。
解説
再評価率とは、過去の各年度の標準報酬月額及び標準賞与額を現在の価値に換算するために乗じる率をいいます。厚生年金保険では、年金額そのものを改定するのではなく、この再評価率を改定することによって年金額の水準を調整します。
くわしく解説
40年前の給与を当時の金額のまま平均してしまうと、年金額が当時の物価水準に固定されてしまいます。それを避けるため、各年度の標準報酬に年度ごとの再評価率を乗じてから平均するという仕組みになっています。
改定の基準は国民年金の改定率と同じ考え方です。
・受給権者が68歳となる年度前(新規裁定者) … 名目手取り賃金変動率を基準に改定
・受給権者が68歳となる年度以後(既裁定者) … 物価変動率を基準に改定
68歳が境目になるのは、65歳で受給を始めた人が3年間は賃金の伸びに合わせ、その後は物価の伸びに合わせるという設計によります。現役世代の賃金に連動する期間と、購買力の維持に軸足を移す期間を分けているということです。
マクロ経済スライドによる調整も、再評価率の改定を通じて行われます。財政均衡期間にわたって財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合に調整期間が定められ、公的年金の被保険者数の減少と平均余命の伸びを考慮した調整率が差し引かれます。
国民年金と厚生年金保険で用語が違う点が試験で問われます。
・国民年金 … 改定率を改定する
・厚生年金保険 … 再評価率を改定する
定額部分の額は「1,628円×改定率×被保険者期間の月数」で計算され、こちらは改定率を用います。厚生年金保険の中でも、報酬比例部分は再評価率、定額部分は改定率という使い分けになっています。
具体例で考えよう
昭和60年度の標準報酬月額20万円は、その年度の再評価率を乗じて現在の水準に引き直したうえで平均に組み込まれます。
試験対策ポイント
厚生年金保険は年金額そのものではなく再評価率を改定する(国民年金は改定率)。新規裁定者は名目手取り賃金変動率、既裁定者は物価変動率を基準に改定し、境目は受給権者が68歳となる年度。定額部分の計算には改定率を用いる
関連法令
厚生年金保険法43条の2、43条の3、43条の5
関連用語
「厚生年金保険法」の他の用語
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