ひとことで言うと
仕事の進め方や時間配分を本人に任せる働き方です。省令で定められた専門職向けの専門業務型と、経営の企画業務向けの企画業務型があり、手続が大きく違います。
解説
裁量労働制とは、業務遂行の手段や時間配分の決定を労働者に委ね、労使協定又は労使委員会の決議で定めた時間労働したものとみなす制度をいいます。専門業務型は労使協定、企画業務型は労使委員会の5分の4以上の議決が必要で、いずれも対象労働者本人の同意が要ります。
くわしく解説
裁量労働制には2つの型があります。
専門業務型裁量労働制の対象は、業務遂行の手段や時間配分の決定が労働者自身に委ねられている業務で、厚生労働省令で具体的に列挙されたものに限られます。代表例は次のとおりです。
・新商品・新技術の研究開発、人文科学・自然科学に関する研究の業務
・情報処理システムの分析又は設計の業務
・新聞・出版の記事の取材・編集、放送番組制作のための取材・編集の業務
採用するには労使協定を締結し、労働時間として算定される時間(みなし労働時間)、使用者が健康・福祉確保措置を講ずること、苦情処理措置を講ずることなどを定める必要があります。さらに対象労働者個々人の同意が必要です。省令のリストにない業務に適用することはできません。
企画業務型裁量労働制の対象は、事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務で、遂行手段や時間配分が労働者に委ねられているものです。対象労働者は、対象業務を適切に遂行する知識・経験等を持つ者で、こちらも個々人の同意が必要です。
手続が専門業務型と大きく異なります。前提として労使委員会が設置された事業場でなければならず、その委員の5分の4以上の多数による議決で所定の事項を決議する必要があります。
この労使委員会には、一定の労使協定に代えて決議を行える協定代替決議の機能もあります。1か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、36協定、年休の計画的付与など多くの協定を代替できますが、貯蓄金の管理と賃金の一部控除の2つだけは代替できません。
具体例で考えよう
ゲーム会社の研究開発チームで新技術の研究をする社員には、労使協定で「1日8時間とみなす」と定め本人の同意を得れば専門業務型を適用できます。大手メーカー本社の経営企画部で中期経営計画の立案を担う社員には、労使委員会の5分の4以上の議決と本人同意があれば企画業務型を適用できます。
試験対策ポイント
専門業務型の対象は省令列挙の業務に限られ、労使協定でみなし労働時間・健康福祉確保措置・苦情処理措置等を定める。企画業務型は事業運営に関する企画・立案・調査・分析の業務で、労使委員会の委員の5分の4以上の議決が必要。いずれも本人の同意が要る。労使委員会の協定代替決議は貯蓄金の管理と賃金の一部控除には使えない
関連法令
労働基準法38条の3・38条の4
関連用語
「労働基準法」の他の用語
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