ひとことで言うと
適用事業所に使用されることで、法律上当然に健康保険の被保険者となる人のことです。健康保険の被保険者の中心にあたります。
解説
当然被保険者とは、適用事業所に使用される者(適用除外に当たる者を除く)が、届出や本人の希望を待たずに法律上当然に被保険者となるものをいいます。健康保険の被保険者には当然被保険者・任意継続被保険者・特例退職被保険者・日雇特例被保険者の4種類がありますが、学習の中心はこの当然被保険者です。
くわしく解説
判断の出発点は「使用される」ことです。雇用契約書があるかどうかではなく、実態として労務を提供し、その対償として報酬を受けているかどうかで決まります。名称がパートや嘱託であっても、適用除外に当たらなければ被保険者になります。
具体的な場面での結論は次のとおりです。
・個人事業主 … 使用される者に当たらないため被保険者にならない
・法人の代表者・役員 … 法人から労務の対償として報酬を受けていれば被保険者になる(理事、監事、取締役、代表社員等も同じ)
・派遣労働者 … 派遣元事業所において被保険者となる
・外国人労働者 … 国籍要件はないため被保険者となる
・試用期間中の者 … 試用期間の初日から被保険者となる
個人事業主と法人の代表者で結論が分かれるのは、法人が事業主であり代表者はそこに使用される側だ、という法人格の考え方によります。
判断がすっきりしないのが公務員です。国や地方公共団体は強制適用事業所であり、公務員は適用除外の規定にも入っていないため、法律上は健康保険の被保険者に当たります。ただし共済組合の短期給付で医療を受けられるため、健康保険が行う保険給付の対象にはなりません。
なお、資格の取得及び喪失は、保険者等(厚生労働大臣又は健康保険組合)の確認によって効力を生じます。確認に至るルートは事業主の届出、被保険者等の請求、保険者等の職権の3つです。
具体例で考えよう
個人でカフェを営むオーナーは自分では健康保険に入れず国民健康保険を使いますが、株式会社を設立して自ら代表取締役となり役員報酬を受け取るようになれば、その時点で健康保険の被保険者になります。
試験対策ポイント
個人事業主は被保険者とならない。法人の代表者・役員は労務の対償として報酬を受けていれば被保険者。派遣労働者は派遣元、試用期間中の者は初日から被保険者。公務員は法律上は被保険者だが健康保険の給付の対象外。資格の得喪は保険者等の確認により効力を生じる
関連法令
健康保険法3条1項、35条、39条、51条
関連用語
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